イタリアの警察について
イタリアの警察は、日本のそれよりずっと複雑です。
街でパトカーなどとともによく見るのは、"Carabinieri"、"Polizia"、そして"Polizia Municipale"(あるいは"Polizia Locale")ではないでしょうか。
カラビニエリ(Carabinieri)
カラビニエリ(Carabinieri)は、国防省所属の軍警察(警察軍)です。「憲兵隊」という場合もあります。黒を基調に赤いラインの入った制服、また警察車両が特徴です。
1814年に設立された、サルデーニャ王国の竜騎兵隊を前身にしています。
ポリツィア(Polizia)
ポリツィア(Polizia)は"Polizia di Stato"の略で、内務省所属の国家警察です。水色の警察車両が特徴です。「州警察」という場合もありますが、日本ではイタリアの"Regione"(レジョーネ)を「州」と訳しており、後述の"Polizia Regionale"と混同が生じるため、「国家警察」と訳すのがやはり妥当ではないかと思われます。
1852年に設立された、サルデーニャ王国の治安維持部隊を前身にしています。
地方の警察
"Polizia Municipale"はコムーネ(日本でいう市町村)に所属する警察です。地域によって、Polizia Locale, Polizia Comunale, Polizia Urbana, Vigili Urbaniなど様々な呼び方があります。武器を所持できない決まりになっており、比較的軽微な犯罪に対応します。ポリツィアを補佐する役割と説明されることもありますが、どこまでその分担が明確になっているかは不明です。
他にも、県に所属する"Polizia Provinciale "や、州に所属する"Polizia Regionale"があります。こちらは主に、狩猟権、漁業権の管理など、環境を維持するための活動をしています。
国からコムーネまで、行政区画の全階層で警察組織を持っており、縦割り行政と同時に、多重行政の問題も根深いものがありそうです。
その他の警察
イタリア警察の縦割り行政は、国防省と内務省だけに留まりません。
ポリツィア・ペニテンツィアリア(Polizia Penitenziaria)は、刑務所の運営管理や受刑者の移送などを行う、司法省所属の刑務警察です。
他にも、経済財務省所属の財務警察 (Guardia di Finanza) や、農業食料森林省所属の森林警備隊(Corpo forestale dello Stato)などがあります。
カラビニエリの車両
Carabinieri Alfa Romeo 159
カラビニエリ(Carabinieri)は、国防省所属の軍警察です。「バットモービル」みたいなペイントで格好いいです。
Carabinieri Alfa Romeo 156
先代の「バットモービル」です。こちらはこちらでシブく、別の格好良さがあります。
Carabinieri Fiat Ducato II
フィアット・デュカート(Fiat Ducato)の2代目です。イタリアの警察は、やはり自国メーカーであるアルファロメオとフィアットの採用率が高いです。
ランドローバー・ディフェンダー(Land Rover Defender)とイヴェコ・デイリー(Iveco Daily)の4代目です。
イヴェコ(Iveco)は、トラック・バスなどの商用車や、ダンプカーなどの工事用車両、消防車などの緊急車両、装甲車などの軍事用車両を製造、販売するイタリアを代表する企業の一つです。