グラスゴーの基本情報
グラスゴーは、スコットランド最大の都市です。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、造船業で栄えました。クライド川(River Clyde)沿いに造船所が建ち並び、グラスゴーはその中心都市でした。
一時は人口が100万人を越え、ヨーロッパにおいてロンドン、パリ、ベルリンに次ぐ規模の都市であったといわれています。現在の人口は約58万人です。
中村俊輔が活躍したセルティックFCの本拠地です。ちなみに、セルティックFCはスコティッシュ・プレミアシップのチームで、なんと2013年のリーグ発足以降、一度も優勝を逃したことがありません。
グラスゴーの音楽
グラスゴーを語る上で欠かすことができないのが、音楽シーンです。
毎年7月に、クライド川沿いの緑地グラスゴー・グリーンで、"TRNSMT Festival"という大規模な野外音楽フェスティバルが開かれています。これは2016年を最後に事実上終了した、“T in the Park”の歴史を引き継ぐイベントでもあります。
グラスゴー出身のバンドも、枚挙に暇がありません。シンプル・マインズ(Simple Minds)、プライマル・スクリーム(Primal Scream)、ティーンエイジ・ファンクラブ(Teenage Fanclub)、スノウ・パトロール(Snow Patrol)、トラヴィス(Travis)、モグワイ(Mogwai)、ベル・アンド・セバスチャン(BELLE AND SEBASTIAN)、フランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)、ザ・フラテリス(The Fratellis)、チャーチズ(CHVRCHES)など。
チャーチズはテレビ番組『テラスハウス TOKYO 2019-2020』や、小島秀夫氏のビデオゲーム『DEATH STRANDING』にも楽曲を提供しており、馴染みのある日本人も多いのではないでしょうか。
グラスゴーの観光スポット
道草旅行社おすすめの観光スポットを、1位から順にご紹介します。

グラスゴーの遊び心を感じることのできる美術館・博物館です。スピットファイアとサバンナの動物を同じホールに展示するという感覚は、日本人にはないかもしれません。詳しくは、下の記事をご覧ください。


宗教改革の嵐を生き残った、貴重な中世ゴシック教会です。スコットランド本土で最古の大聖堂であり、グラスゴーで最古の建物でもあります。詳しくは、下の記事をご覧ください。


ネクロポリス(necropolis)は、大規模な墓地を意味する一般名詞です。グラスゴー・ネクロポリスは、グラスゴー大聖堂の東側に盛り上がった丘の上にあります。

様々な形の墓や記念碑を見ることができます。写真右手のものは、エディンバラはカールトン・ヒルにあるダグラス・スチュアート記念碑によく似ています。あちらは柱がコリント式ですが、こちらはイオニア式です。

リバーサイド博物館はグラスゴー交通博物館とも呼ばれ、交通に関するありとあらゆるものが展示の対象です。車や鉄道はもちろん、船、飛行機、バイク、自転車まで。とりわけレトロカーのコレクションが充実しており、壁面まで使った立体的な展示が行われています。

警察車両に黄と青のバッテンバーグ・マーキングが採用されたのは2012年ですが、それまでイギリスの警察車両といえばオレンジの細いストライプでした。2枚の食パンにオレンジ・ジャムが挟まれているイメージから、「ジャム・サンドイッチ(Jam sandwich)」という愛称で親しまれていました。


辻馬車が走っていた、19世紀の街並みをそっくり再現したエリアがあります。

ザハ・ハディド(Zaha Hadid)氏の設計による、特徴ある建物も見どころのひとつです。
帆船グレンリー

「リバーサイド博物館」の「リバー」は、クライド川(River Clyde)のことです。クライド川沿いにはかつて造船所が建ち並び、世界最大の造船ベルトを形成していた時代がありました。
その面影を残すように、リバーサイド博物館の前にはここで建造された帆船グレンリー(Glenlee)が係留されています。

1451年創立の歴史ある大学です。『国富論』で知られるアダム・スミス、蒸気機関を発明しワット(W)の単位で知られるジェームズ・ワット、熱力学の基礎を築きケルビン(K)の単位で知られるケルヴィン卿(Lord Kelvin)ことウィリアム・トムソンなど、名だたる偉人を輩出しています。
ちなみに、ニッカウヰスキーの竹鶴政孝もグラスゴー大学で化学を学んでいます。

ジョージ・ギルバート・スコット(George Gilbert Scott)によって設計された、ゴシック・リヴァイヴァル様式の重厚な建物は見ごたえがあります。同氏はロンドンのセント・パンクラス駅やエディンバラの聖マリア大聖堂なども設計しています。


青地に金で文様の描かれた壁紙が素敵です。アダム・スミスの彫像が置かれています。
聖ガブリエル教会

グラスゴー大学の北側に向かい合うようにしてある、印象的な建物です。
グラスゴー市役所

ジョージア・スクエアに面しています。ボザール様式など、複数の建築様式が組み合わされています。
ギャラリー・オブ・モダン・アート

"Gallery of Modern Art"の頭文字を取って、"GoMA"とも呼ばれます。新古典主義の建物は、もと王立取引所でした。

イギリスの英雄ウェリントン公爵の騎馬像ですが、馬と仲良くカラーコーンを被っています。もちろんただのいたずらではなく、現代美術(モダン・アート)です。表現の自由というやつです。


聖マンゴー宗教博物館

はちみつ色の石積みが素敵です。正式名称は"St Mungo Museum of Religious Life and Art"で、宗教美術だけでなく生活に根差した宗教ということで、身近な物品も展示されています。

ナタラジャ(Nataraja)、つまり踊るシヴァ神の彫像です。博物館を代表する展示物のひとつです。

日本のひな人形も展示されています。平安時代は、厄払いとしての意味が強かったようです。

天使には見えないので、人面鳥の類でしょうか。
プロバンド領主館

不揃いな石をうまく積み上げています。1471年に建てられた、歴史ある建物です。

内壁も外壁も区別ありません。積んだ石をそのまま露出させているだけです。暖炉やキャンドルの火が灯ったところも見てみたいです。

旧セント・イノック駅舎

ブキャナン・ストリートの南端にあります。セント・イノック地下鉄駅(St Enoch subway station)の駅舎だった建物ですが、現在は"Caffè Nero"というコーヒーショップが入っています。
口コミサイトで人気の観光スポット
参考に2つの代表的な口コミサイトで、人気の観光スポットを見てみましょう。
フォートラベルは日本のユーザーからの口コミですが、トリップアドバイザーは日本を含む世界のユーザーからの口コミです。
フォートラベル(4travel.jp)
2019年12月21日時点のランキングです。
| 順位 | 観光スポット |
|---|---|
| 1 | グラスゴー大聖堂 |
| 2 | ケルヴィングローブ美術館 & 博物館 |
| 3 | ケルヴィングローブ・パーク |
| 4 | ネクロポリス |
| 5 | ギャラリー オブ モダン アート |
| 6 | ジョージア スクエア |
| 7 | 聖マンゴー宗教博物館 |
| 8 | ハンテリアン・アート・ギャラリー |
| 9 | プロバンド領主館 |
| 10 | セルティック パーク |
| 11 | グラスゴー交通博物館 (リバーサイド博物館) |
| 12 | ハンテリアン博物館 |
| 13 | ポロック カントリーパーク |
| 14 | マルティルス・スクール |
| 15 | セント イノック トラベル センター |
トリップアドバイザー(tripadvisor.jp)
2019年12月21日時点のランキングです。
| 順位 | 観光スポット |
|---|---|
| 1 | ケルビングローブ美術館 ・博物館 |
| 2 | The Riverside Museum of Transport and Travel |
| 3 | Glengoyne Distillery |
| 4 | Celtic Park |
| 5 | グラスゴー大学 |
| 6 | The Necropolis |
| 7 | Tennents Wellpark Brewery |
| 8 | The Clydeside Distillery |
| 9 | Glasgow Science Centre |
| 10 | Ibrox Stadium |
| 11 | Glasgow Botanic Gardens |
| 12 | ブキャナン ストリート |
| 13 | グラスゴー大聖堂 |
| 14 | Pollok Country Park |
| 15 | The Tenement House |
フォートラベルとトリップアドバイザーで、かなり異なる結果となりました。10位圏内で共通してランクインしているのは、ケルビングローブ美術館 ・博物館、ネクロポリス(The Necropolis)、セルティック・パーク(Celtic Park)のみです。フォートラベルで1位のグラスゴー大聖堂は、トリップアドバイザーでは13位。トリップアドバイザーで2位のリバーサイド博物館(The Riverside Museum of Transport and Travel)は、フォートラベルでは11位です。またトリップアドバイザーでは、3位の"Glengoyne Distillery"、8位の"The Clydeside Distillery"と、スコッチウイスキー醸造所の人気が高いです。

7位の"Tennents Wellpark Brewery"は、"T"のブランドロゴで知られるテネンツ(Tennents)のビール醸造所です。イギリスというとエールビールのイメージが強いですが、じつはラガーも良く飲まれており、テネンツ(Tennents)はそのひとつです。ちなみに伝説の野外ロック・フェスティバルとして知られる“T in the Park”の"T"は、メインスポンサーであるテネンツ(Tennents)の"T"です。
グラスゴーのグルメ
ユビキタス・チップ(Ubiquitous Chip)

お店もお洒落ですが、お店が面しているグレート・ジョージ・レーン(Great George Ln)通りの雰囲気も最高です。

鹿肉のハギス(Venison Haggis)とニープス&タティーズ(Neeps and Tatties)です。スコットランドの伝統料理です。一番左はタティーズで、いわゆるマッシュ・ポテトです。真ん中はニープスで、スウェード(swede)という野菜をマッシュしたものです。すこし大根に似た辛味があり、「暖かい紅葉おろし」といったところです。一番右がハギスで、通常羊の内蔵やスパイスを羊の医袋に詰めて蒸した料理ですが、ここでは鹿肉です。若干クセはありますが、慣れればハマりそうな味わいです。オーツ麦のぷちぷとした食感が心地いいです。

デザートのクラウディ(Crowdie)チーズケーキです。クラウディは、スキムミルク(脱脂粉乳)で作るスコットランド伝統のフレッシュチーズです。ここでもはちみつで味付けされたオーツ麦がかかっています。イチゴのソースと一緒に食べると美味しいです。結果的にハギス、ニープス&タティーズと同じようなビジュアルになりました。ほぼ流動食です。
グラスゴーの鉄道
グラスゴー・セントラル駅

グラスゴーのターミナル駅は2つあります。イングランドとの長距離列車が主に発着するのが、グラスゴー・セントラル駅です。産業革命の時代を感じるような、趣きある駅舎です。
グラスゴー・クイーンストリート駅
イギリス鉄道385形

日立製作所の「AT200」と呼ばれるシリーズの車両です。
イギリス鉄道43形(HST)

スコットランドの各都市を結ぶ近中距離列車が主に発着するのが、グラスゴー・クイーンストリート駅です。原始的な生物のような見た目の、イギリス鉄道43型です。

スターリング城やナショナル・ウォレス・モニュメントなど、スターリング(Stirling)の風景が描かれています。

グラスゴー地下鉄

日本だと十字にすることが多い地下鉄ですが、グラスゴー地下鉄は環状線です。環状線の宿命ですが、目的地によっては遠回りをしているような気分になるかもしれません。
ロンドン、イスタンブール、ブダペストに次ぎ世界で4番目に古い地下鉄で、日本における地下鉄の父、早川徳次もグラスゴー地下鉄を視察したといわれています。
グラスゴーの道草
ガイドブックには載らないような、偶然の出会いやふと気になった風景などをご紹介します。

"Oor Wullie"という、スコットランドの国民的な漫画のキャラクターです。

CBD(カンナビジオール)はいわゆる「医療大麻」と呼ばれているものです。目抜き通りの真ん中で、堂々と販売されています。イギリスでは合法なので問題ないですが、交番(police box)の中に入る必要があったのでしょうか。

虹色の旗は、やっぱりそういう意味なんでしょうか。

2019年のラグビーワールドカップで、スコットランド代表と日本は対戦しました。壁画は2014年に7人制ラグビーの大会を、グラスゴーが主催したことを記念して描かれました。


グラスゴーのモデルコース
グラスゴーの観光スポットは、グラスゴー大聖堂を中心とした東側エリアと、ケルヴィングローブ美術館 & 博物館を中心とした西側エリアに集中しています。1日目に前者を、2日目に後者をご案内します。
郊外の観光スポットとして、セルティックFCのホームスタジアムであるセルティック・パーク(Celtic Park)、スコットランドの田舎を感じることのできるポロック・カントリー・パーク(Pollok Country Park)、ウィスキー醸造所"Glengoyne Distillery"やビール醸造所"Tennents Wellpark Brewery"なども人気があります。
グラスゴー 1日目
Ⓐグラスゴー大聖堂から旅をスタートします。重厚な中世ゴシック教会を堪能したあとは、東の丘を登ってⒷグラスゴー・ネクロポリスを散策します。墓地なのでハメを外すことはできませんが、軽いピクニック気分を味わうことができます。
大聖堂の近くには、Ⓒ聖マンゴー宗教博物館とⒹプロバンド領主館が道路を挟んで向かい合うようにしてあります。どちらも無料ですので、覗くだけ覗いてみて損はありません。
プロバンド領主館から中心部に向かって約10分歩くと、Ⓔグラスゴー市役所に着きます。さらにジョージ・スクエアを抜け、南へ約1分歩くとⒻギャラリー・オブ・モダン・アート(Gallery of Modern Art)に着きます。カラーコーンを被った騎馬像が目印です。
南西方向に約6分歩くと、Ⓖ旧セント・イノック駅舎(Caffè Nero)に着きます。そこから北に向かって、目抜き通りであるブキャナン・ストリート(Buchanan St)が伸びています。
グラスゴー 2日目
西側エリアは中心部から歩くには距離があり、どうしても地下鉄でのアクセスになります。Ⓐ地下鉄ケルヴィンホール駅(Kelvinhall station)から徒歩で南下すること約14分、Ⓑリバーサイド博物館に着きます。乗り物なので女子受けは悪いかもしれませんが、19世紀の街並みを再現したエリアなど“映え”るポイントもしっかりあります。
川沿いを東に向かって約11分歩くと、Ⓒクライドサイド蒸留所(The Clydeside Distillery)に着きます。ツアーは英語のみです。ガラス張りになっているので、外から蒸留窯を眺めるだけでもいいかもしれません。
北に向かって約15分歩くと、Ⓓケルヴィングローヴ美術館・博物館に着きます。展示品一つひとつもそうですが、それらがどのように展示されているかもまた注目のポイントです。
ケルヴィングローブ・パークを抜けるように、北に向かって約10分歩くと、Ⓔグラスゴー大学に着きます。ゴシック・リヴァイヴァル様式の重厚な建物は見ごたえがあります。大学構内にある、ハンタリアン博物館・美術館やマッキントッシュ・ハウスも人気のアトラクションです。
西に徒歩約8分で、Ⓕ地下鉄ヒルヘッド駅(Hillhead station)に着きます。「グラスゴーのグルメ」でご紹介している「ユビキタス・チップ(Ubiquitous Chip)」は、ここから徒歩1分以内の場所にあります。