ケベック旧市街の基本情報
ケベック・シティーは、カナダで最も古いヨーロッパ系入植地のひとつであり、北米で唯一、城壁に囲まれた街（城郭都市）として知られています。
1608年、フランス人探検家サミュエル・ド・シャンプラン（Samuel de Champlain）によって築かれたこの街は、ヌーベルフランス（フランス領カナダ）の行政と宗教の中心地として栄えました。セントローレンス川の要所に位置することから、軍事的にも商業的にも重要な拠点となり、やがてフランスとイギリスの争いの舞台ともなります。
1759年、アブラハム平原の戦いを経てケベック・シティーはイギリス軍に占領され、その後1763年のパリ条約により正式にイギリス領となります。しかし、旧市街には現在も石造りの家屋や教会、要塞など、フランス統治時代の面影が色濃く残されており、まるでヨーロッパに迷い込んだかのような雰囲気が漂います。
1985年にはユネスコの世界遺産に登録され、ケベック旧市街は、フランス植民地時代とイギリス統治時代が重なり合う、カナダの歴史を今に伝える貴重な場所として保存されています。
ケベック旧市街の見どころ
サン・ルイ門
サンルイ門（Porte Saint-Louis）は、ケベック旧市街を取り囲む城壁の一部です。門の手前を左へ進むと、ケベック要塞（シタデル）に着きます。
ノートルダム大聖堂
ケベック・シティーのノートルダム大聖堂（Basilique-cathédrale Notre-Dame de Québec）は、ケベック大司教区の本拠地です。ケベック大司教区は北米最古の教区であり、ノートルダム大聖堂は北米最古の大聖堂といわれています。
ケベック・シティーのノートルダム大聖堂には、北米唯一の聖なる扉が存在します。聖なる扉は、カトリックの聖年（Jubilee Year）にのみ開かれます。
ケベック州議事堂
ケベック州議事堂（Hôtel du Parlement du Québec）は、フランス人建築家ウジェーヌ・エティエンヌ・タシェ（Eugène-Étienne Taché）により、第二帝政様式で設計されました。
ケベック州のモットーである"Je me souviens"（私は忘れない）は、タシェによって考案されました。議場の天井画は、"Je me souviens"をモチーフにしています。
ウルスラ修道院
ケベック・シティーのウルスラ修道院（Monastère des Ursulines de Québec）は、1639年にフランスから渡航したウルスラ会の修道女たちによって設立されました。北米最古の女子教育機関といわれています。
トレゾール通り
トレゾール通り（Rue du Trésor）では、地元アーティストたちが水彩画、油絵、版画、リトグラフなどの作品を展示・販売しています。
プティ・シャンプラン通り
プティ・シャンプラン通り（Rue du Petit-Champlain）へと続く、エスカリエ・カス・クー（Escalier Casse-Cou）と呼ばれる階段です。日本語で「首折れ階段」とも呼ばれます。
ヌーベル・フランスの時代における、労働者階級の暮らしを描いた壁画です。
フニクレール
フニクレール（Funiculaire du Vieux-Québec）は、ケベック旧市街のアッパータウン（Haute-Ville）とローワータウン（Basse-Ville）を結ぶ斜行エレベーターです。
ス・ル・フォール通り
フニクレールを降りた先に伸びる通りが、ス・ル・フォール通り（Rue Sous-le-Fort）です。ケベック・シティーのランドマークである、シャトー・フロンテナックを見上げています。
道化に扮した男が、ス・ル・フォール通りを颯爽と通り過ぎていきました。
導火線に火がついています。
女をじっと見つめる、白ひげ丸眼鏡のおじさんが気になります。
ケベック旧市街のアクセス
ターミナル駅であるⒶパレ駅から南東へ約14分歩くと、ケベック旧市街を代表する建物のひとつであるⒷノートルダム大聖堂に着きます。