ミリタリー・タトゥーの基本情報
ミリタリー・タトゥーは、毎年8月にエディンバラで開催される国際的なマーチングの祭典です。正式名称は、ロイヤル・エディンバラ・ミリタリー・タトゥー(Royal Edinburgh Military Tattoo)です。
舞台は、エディンバラ城のエスプラネード(Esplanade)です。エスプラネードには遊歩道などの意味がありますが、城塞においては敵を誘い込み、周囲から砲撃するために設けた空き地です。
ミリタリー・タトゥーが初めて開催されたのは1949年ですが、2016年からはエディンバラ城を背景としたプロジェクションマッピングが行われるようになり、映像と音楽が渾然一体となったスペクタクルなショーへと昇華しています。
語源
タトゥー(tattoo)は入れ墨と同じ発音、綴りですが、意味も語源も異なります。ミリタリー・タトゥーの「タトゥー」は、オランダ語で「蛇口をひねる」を意味する"doe den tap toe"に由来します。"tap toe"が"tattoo"に変化しました。
17世紀、兵士が毎晩遅くまで飲み歩くのを見かねたオランダ軍は、簡単な軍楽隊を組織します。決まった時間になると太鼓やトランペットなどを鳴らし、飲むのをやめて(酒樽の蛇口をひねり)宿舎に帰れと促します。これがやがて、軍楽隊によるマーチングの文化へと発展していきます。
ミリタリー・タトゥーの見どころ
世界各国の軍楽隊やマーチングバンドが招待され、パフォーマンスを行います。観衆も世界中から訪れます。
花火とともにショーがはじまります。最初は地元、スコットランドやイギリスの軍楽隊によるパフォーマンスです。
続いて、世界各国の軍楽隊やマーチングバンドが登場します。ここでは2019年のものをご紹介していますが、年度によってプログラムは異なりますのでご注意ください。
ドイツ陸軍の音楽隊"Heeresmusikkorps Kassel"です。カッセルを拠点としています。金の地に黒い鷲は、ドイツの国章です。
トリニダード・トバゴ国防軍スチール・オーケストラ(Trinidad & Tobago Defence Steel Orchestra, TTDFSO)です。演奏よりも、派手な衣装を身に着けたダンサーに目がいきます。
フランス陸軍の音楽隊"La Musique de l’Artillerie"です。リヨンを拠点としています。
パリの老舗キャバレー、ムーランルージュのカンカン(cancan)をモチーフとしています。日本では、「フレンチカンカン」として知られています。
"Tattoo Dance Company"によるショーです。ダンサーは年度ごとに、オーディションで選ばれます。