フィレンツェの基本情報
フィレンツェは、トスカーナ州の州都であると同時に、フィレンツェ県の県都です。
人口は約38万人で、イタリアで8番目に大きな都市(コムーネ)です。
日本語の「フィレンツェ」はイタリア語の"Firenze"をローマ字読みしたものですが、英語では"Florence"といいます。花の女神フローラ(ラテン語で"Flōra")に由来しています。文字通り「花の都」です。
またシニョーリア広場の屋外彫刻群など町全体が美術館のようでもあり、「芸術の都」と呼ばれることもあります。

フィレンツェがもっとも光り輝いていたのは、ルネサンスの時代です。当時フィレンツェはフィレンツェ共和国の首都でした。メディチ家の庇護のもと、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロといった芸術の巨人が才能を開花させました。
フィレンツェ共和国は後のフィレンツェ公国、トスカーナ大公国へと引き継がれ、フィレンツェは700年以上の長きにわたってそうした国々の首都であり続けました。
トスカーナ大公国はヴィットーリオ・エマヌエーレ2世率いるサルデーニャ王国に併合される形で、1860年に消滅します。同年サルデーニャ王国は両シチリア王国を征服し、これによってイタリア統一が成されます。
フィレンツェの観光スポット
道草旅行社おすすめの観光スポットを、1位から順にご紹介します。

フィレンツェのシンボルであるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は、フィレンツェ観光で外せないスポットです。詳しくは、下の記事をご覧ください。


メディチ家がピッティ宮殿に移るまでの間、住んでいた宮殿です。現在はフィレンツェ市庁舎として使われています。シニョリーア広場に面しています。
フィレンツェにはヴェッキオ宮殿のほかに、ヴェッキオ橋という有名な観光スポットもあります。メディチ家が台頭する14世紀以前には、ヴェッキオ家がフィレンツェを支配していました、と言いたいところですが、「ヴェッキオ(Vecchio)」とはイタリア語で単に「古い」という意味です。新しいピッティ宮殿に対して、「古い宮殿」という意味でつけられました。

五百人広間(Salone dei Cinquecento)です。フィレンツェ共和国の会議場として使われていました。
壁面を描いたのはジョルジョ・ヴァザーリですが、その塗料の裏には、どちらも幻の作品といわれるミケランジェロの『カッシナの戦い』、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチの『アンギアーリの戦い』が隠されているといわれています。

ヴァザーリの壁画の下には、ギリシャ神話「ヘラクレスの十二の功業(難行、試練)」をモチーフにした彫像が飾られています。
これは「人喰い馬」を飼っていたディオメデスを、ヘラクレスが罰している場面です。ディオメデスもヘラクレスの急所をつかんで応戦しています。

大きな地球儀が印象的な、地図の間です。

ヨーロッパは比較的正確に描かれているのですが、日本(GIAPAN)に至ってははひどいものです。きっと想像だけで描いたのでしょう。

メディチ家の紋章です。6つの球が何を意味しているのかは諸説ありはっきりわかっていませんが、青い球に描かれた百合の紋章だけは由来が明らかになっています。コジモ・デ・メディチの子、ピエロ(通称、痛風持ちのピエロ)が、フランス国王ルイ11世からフランス王家の紋章である「フルール・ド・リス」の使用を許されたといわれています。メディチ家は商家から成りあがっていますので、権威づけのために必要だったのでしょう。

壁紙のように、壁面にびっしり「フルール・ド・リス」が描かれています。よほどうれしかったのでしょうか。

ミケランジェロの有名な『ダヴィデ像』です。本物はアカデミア美術館に移設、収蔵されており、こちらは精巧なレプリカです。

質、量ともにイタリア最高の美術館といわれます。ルネサンス芸術に限定すると、世界最高の美術館でしょう。

ボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』やレオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』など、美術の教科書に載るような作品が収蔵、展示されています。

ウフィツィ美術館から見たヴェッキオ橋です。ちなみにウフィツィ美術館の3階には、秘密の回廊への入口があります。これを「ヴァザーリの回廊」といい、ヴェッキオ橋の2階を通り、川向うのピッティ宮殿まで続いています。期間限定で公開されています。

ジェネラーレ・ディアズ通りに抜けるところに展示されていた印象的な作品でしたが、現在は展示が終了しているようです。

シニョリーア広場には無数の彫像が屋外展示されており、もちろん入場料もありませんが、並みの美術館よりはよほど見ごたえがあります。中でも雨をしのぐことのできるランツィの回廊(Loggia dei Lanzi)には、10体を超える作品が纏めて展示されており圧巻です。
こちらは、ベンヴェヌート・チェッリーニの『メデューサの首を掲げるペルセウス像』という作品です。

ネプチューン(ネットゥーノ)の噴水です。

コジモ1世の騎馬像です。コジモ1世のは初代トスカーナ大公で、「コジモ・デ・メディチ」とは別人です。

ヴェッキオ橋とは「古い橋」という意味です。パリのポン・ヌフ(Pont Neuf)は「新しい橋」という意味でありながら、パリ最古の橋であるというオチがついていましたが、ヴェッキオ橋は名前の通り、本当にフィレンツェ最古の橋です。
ヴェッキオ橋の中には、高級な金細工の店が並んでいます。

コジモ1世がヴェッキオ宮殿から移り住んで以後、トスカーナ大公の宮殿となりました。
名前の由来となったピッティ家はフィレンツェの銀行家で、メディチ家のライバルでした。財政状況の悪化から、宮殿の完成を見ないままピッティ家は滅びます。それから約80年後、皮肉にもメディチ家に買われ、宮殿は完成します。
広大な敷地の中に、パラティーナ美術館(ピッティ美術館)、近代美術館、陶磁器博物館、銀器博物館、馬車博物館、そしてボーボリ庭園という6つの施設が入っています。

コジモ・デ・メディチからずっと、メディチ家の当主が埋葬されています。サン・ロレンツォ聖堂の裏側には、メディチ家礼拝堂があります。

切妻、方形、片流れ、そして丸屋根が合わさった、複雑な造形です。

中庭とそれを取り囲む回廊です。

オレンジでしょうか。なんとなくアンダルシアっぽい雰囲気があります。
サンタ・クローチェ聖堂

ミケランジェロやガリレオ・ガリレイ、『君主論』で知られるマキャヴェッリなどが埋葬されています。
サン・マルコ聖堂

翼の生えた獅子が手に持つ書には、"PAX TIBI MARCE EVANGELISTA MEVS."と描かれています。翻訳すると、「汝に平和を、マルコよ、我が使徒よ」という意味になります。翼の生えた獅子は、聖マルコの象徴です。
聖マルコはヴェネツィアの守護聖人として有名です。ヴェネツィアの有名な観光スポットはサン・マルコ広場で、そこにあるのは翼の生えた獅子の像です。

口コミサイトで人気の観光スポット
参考に2つの代表的な口コミサイトで、人気の観光スポットを見てみましょう。
フォートラベルは日本のユーザーからの口コミですが、トリップアドバイザーは日本を含む世界のユーザーからの口コミです。
フォートラベル(4travel.jp)
2018年11月5日時点のランキングです。
| 順位 | 観光スポット |
|---|---|
| 1 | ドゥオーモ (フィレンツェ) |
| 2 | ウッフィツィ美術館 |
| 3 | ミケランジェロ広場 |
| 4 | ヴェッキオ橋 |
| 5 | ジョットの鐘楼 |
| 6 | シニョーリア広場 |
| 7 | ヴェッキオ宮 |
| 8 | フィレンツェ歴史地区 |
| 9 | サンタ マリア ノヴェッラ教会 (サンタ マリア ノヴェッラ教会美術館) |
| 10 | 洗礼堂 (フィレンツェ) |
| 11 | アカデミア美術館 |
| 12 | ドゥオモ広場 |
| 13 | アルノ川 |
| 14 | ピッティ宮 |
| 15 | サン マルコ美術館 (修道院) |
| 16 | レプッブリカ (共和国) 広場 (フィレンツェ) |
| 17 | メディチ家礼拝堂 |
| 18 | サンタ クローチェ教会教会付属美術館 |
| 19 | ランツィの回廊 (ロッジア ディ ランツィ) |
| 20 | サンタ マリア ノヴェッラ広場 |
トリップアドバイザー(tripadvisor.jp)
2018年11月5日時点のランキングです。
| 順位 | 観光スポット |
|---|---|
| 1 | ドゥオモ広場(フィレンツェ) |
| 2 | ミケランジェロ広場 |
| 3 | シニョーリア広場 |
| 4 | ウフィツィ美術館 |
| 5 | サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 (ドゥオーモ) |
| 6 | アカデミア美術館 |
| 7 | フィレンツェ中央市場 |
| 8 | ヴェッキオ橋 |
| 9 | アルス エ フィデス フィレンツェ |
| 10 | ブルネレスキ クーポラ |
| 11 | フィレンツェ歴史地区 |
| 12 | バシリカ オブ サンミニアート アルモンテ |
| 13 | サンタ クローチェ聖堂 |
| 14 | サンマルコ美術館 |
| 15 | ジョットの鐘楼 |
| 16 | パルジェッロ国立博物館 |
| 17 | ドゥオーモ付属美術館 |
| 18 | Perseus Statue |
| 19 | Museo Opificio delle Pietre Dure |
| 20 | Mus.e Firenze |
フォートラベルとトリップアドバイザーでまったく評価の分かれることがよくありますが、フィレンツェでは比較的共通したスポットが入っています。サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)およびその広場、ウッフィツィ美術館、ミケランジェロ広場、シニョーリア広場、ヴェッキオ橋、アカデミア美術館が共通して上位に入っています。
トリップアドバイザーでヴェッキオ宮殿が入っていないのはやや不可解ですが、シニョーリア広場に含まれているのかもしれません。
またトリップアドバイザーでは、フィレンツェ中央市場が上位に入っているのも特徴です。ここで昼食をったり、お土産を買ったりするのも良さそうです。
フィレンツェのグルメ

フィレンツェ風ステーキ(Bistecca alla Fiorentina)です。トスカーナ州の名産アギーナ牛のTボーンステーキです。聖マルコ(獅子)になったつもりで、かぶりつきましょう。
フィレンツェの鉄道
フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅

駅を出てすぐのところにサンタ・マリア・ノヴェッラ教会があり、駅の名前はそれに由来しています。
イタリア国鉄ETR600型(FS Class ETR 600)


ユーロスター・イタリア アルタ・ヴェロチタ(Eurostar Italia Alta Velocità)のロゴが入っています。
フィレンツェの道草
ガイドブックには載らないような、偶然の出会いやふと気になった風景などをご紹介します。

目の錯覚かもしれませんが、日本の鳩より1.5倍くらい大きく見えます。

フィレンツェの街並みに、馬車がよく似合います。

1馬力の馬車から一転、1000馬力のF1マシンです。イタリアを代表する車といえば、やはりフェラーリです。

シニョリーア広場から続く、カルツァイウオリ通りです。

楽しそうなカップルに、天罰の杯を与えましょう。
フィレンツェのモデルコース
フィレンツェの見どころは、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂を中心とした比較的狭いエリアに集中しています。しかしヴェッキオ宮殿、ウフィツィ美術館、ピッティ宮殿などひとつひとつ見ごたえがあるため、1日ですべて回るのは難しいです。最低でも2日は欲しいところです。美術の鑑賞速度は人によって違うため、3日あっても足らないという方も、もちろんいらっしゃるでしょう。
フィレンツェ 1日目
Ⓐフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から、フィレンツェの旅をスタートします。まずは駅名の由来にもなったⒷサンタ・マリア・ノヴェッラ教会とその広場を観光します。
東に向かって徒歩約6分で、フィレンツェ観光の目玉、Ⓒサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に着きます。ジョットの鐘楼に上り、絵葉書のようなフィレンツェの風景を楽しんでください。クーポラに上るつもりなら予約が必須ですので、必ず日本を出る前に予約しておいてください。
南に向かって徒歩約5分で、Ⓓシニョリーア広場に着きます。ランツィの回廊に展示されている彫刻群を見逃さないようにしてください。
シニョリーア広場に面してあるヴェッキオ宮殿を観光します。五百人広間や地図の間など、メディチ家の栄華を感じてください。
最後に、お好みでライトアップの綺麗なⒺウフィツィ美術館に向かいます。普通のペースだと観光する時間は残っていないはずですので、明日に回します。
フィレンツェ 2日目
Ⓐウフィツィ美術館を観光します。ボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』『プリマヴェーラ』、レオナルド・ダ・ヴィンチ『受胎告知』、ラファエロ『自画像』『ひわの聖母』、ミケランジェロ『聖家族』、ピエロ・デラ・フランチェスカ『ウルビーノ公夫妻の肖像』、ティツィアーノ『ウルビーノのヴィーナス』など見逃せない作品が目白押しです。予約なしでも入れますが、シーズンによっては何時間も並ぶ場合があるため、事前に予約をしておいた方が無難です。
アルノ川沿いを西に向かって約2分歩くと、Ⓑヴェッキオ橋に着きます。歴史を感じる金細工の店を覘いてみてはいかがでしょうか。
ヴェッキオ橋を越え、そのまま南西方向に約5分歩くと、Ⓒピッティ宮殿に着きます。広大な敷地に、5つの美術館と庭園があります。ウフィツィ美術館と比べると観光客の数も少ないため、ゆっくり自分のペースで楽しむことができると思います。
さらにフィレンツェで時間を取ることができるなら、ミケランジェロ広場も、アルノ川越しにフィレンツェの街を一望できる展望台として人気のあるスポットです。ピッティ宮殿からなら徒歩約25分程度ですので、歩いていけない距離ではないですが、タクシーを利用するのが一番手っ取り早い方法です。