サンティアゴ・デ・コンポステーラの基本情報
サンティアゴ・デ・コンポステーラは、スペインの北西端、ちょうとポルトガルの北に位置するガリシア州の州都です。人口は10万人足らずで、ヴィーゴ(Vigo)をはじめ同州にはさらに大きな都市がいくつもあるにもかかわらず、州都と位置づけられているのは都市格の高さゆえでしょう。
日本では一般的な知名度がそこまで高くありませんが、西欧世界においてはほとんど知らない人はいないのではいかと思われます。
伝説によると、イエスの十二使徒の一人、聖ヤコブ(大ヤコブ)がイスラエルで殉教し、弟子たちによってその遺骸が船でガリシアに運ばれます。イベリア半島へのイスラムの侵攻もあり、長く所在が不明となっていた聖ヤコブの墓ですが、9世紀になって奇跡的に発見されます。
折りしも時代はレコンキスタの真っただ中、その出来事は単なる事実を超えて象徴的な意味を持ち、イスラムと対峙するキリスト教徒の間で熱狂的な聖ヤコブ信仰が広がります。
サンティアゴ・デ・コンポステーラは、エルサレム、バチカンと並ぶキリスト教三大聖地のひとつとされています。
ちなみに「サンティアゴ(Santiago)」は、スペイン語で「聖ヤコブ」という意味です。
ヨーロッパにはこの地を目指す巡礼路がいくつもあり、スペイン国内では「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」として、さらにフランス国内では「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」として、それぞれ世界遺産に登録されています。
宗教的な背景はもちろんあるのですが、ひとつのアクティビティとして楽しまれているという側面もあります。
日本の四国遍路と文化的に似た部分があります。四国遍路とサンティアゴ巡礼路は、2015年に協力協定を締結しています。
四国のお遍路さんにも白衣と金剛杖などひと目でそうとわかるスタイルがあるように、サンティアゴの巡礼者にもきまったシンボルがあります。それがホタテ貝です。一説ではヤコブが漁師の家に生まれたためにそれを象徴しているとか、ヤコブの遺体を運んだ船の底に、ホタテ貝がびっしりついていたからともいわれています。
フランス語でホタテ貝は、「聖ヤコブの貝(Coquille Saint-Jacques)」とも呼ばれています。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの観光スポット
道草旅行社おすすめの観光スポットを、1位から順にご紹介します。
聖ヤコブの遺骸を祀っています。現在の聖堂は1075年に建設を開始し、1211年に全体が完成しました。