ロケット号
ロケット号は世界で初めて、蒸気機関車による旅客鉄道を実現しました。ジョージ・スチーブンソンとロバート・スチーブンソンの親子によって設計されたため、スチーブンソンのロケット号(Stephenson's Rocket)とも呼ばれます。
煙管ボイラーの採用や、シリンダーの動力を直接車輪に伝える機構など、いくつものイノベーションにより、最高速度は40 km/h以上に達しました。「世界初の人身事故」という不名誉な記録も残しますが、一度開いた大量輸送時代の幕が閉じることは二度とありませんでした。
京都鉄道博物館にも、ロケット号の模型が展示されています。
日本で見るような成熟期の蒸気機関車は、石炭庫の下に水タンクが隠れていますが、ロケット号では石炭庫と並んで目立つ場所に、木製の樽が置かれています。
イギリス国鉄373形「ユーロスター」
英仏海峡トンネルを通り、ロンドンとパリを結ぶ国際列車につけられた名称が「ユーロスター」です。373型は、フランス国鉄の高速列車TGVがベースになっています。
パリ北駅で出会った373形に、イギリスで再開することになるとは思ってもみませんでした。
新幹線0系
2001年にJR西日本から寄贈されました。新幹線の歴史にまつわる資料も、併せて展示されています。
ちなみに、さいたま(JR東日本)の鉄道博物館が展示している新幹線0系も、同様にJR西日本が寄贈したものです。
LNER A4形蒸気機関車4468号機「マラード」
蒸気機関車とは思えないような、研ぎ澄まされた流線形の車体です。「マラード号」とも呼ばれます。
126 mph(203 km/h)という、蒸気機関車としての世界最高速度記録を有しています。今後もきっと、破られることはないでしょう。
左から、イギリス国鉄52型、55形、40型のいずれもディーゼル機関車です。55型は「デルティック」という愛称でも親しまれています。
蒸気機関車をディーゼル機関車に置き換えるに当たり、その静粛性が原因で接触事故が相次いだため、イギリス国鉄はディーゼル機関車の顔を黄色く塗るよう義務付けました。その伝統は、ユーロスターや日立製の800型にも引き継がれています。
40型が黄色くないのは、その過渡期だったからかもしれません。
スターリング・シングル
イギリスは南北に長い国です。イギリスの鉄道には西海岸を南北に縦断する西海岸線と、東海岸を南北に縦断する東海岸線という2つのメインルートがあり、両ルートでイングランド北部およびスコットランド方面への速達性を競ってきました。
19世紀後半に東海岸線のエースとして登場したのが、このスターリング・シングルです。8 ft(2.4 m)の大きな駆動輪を備えているのが特徴で、平均速度50 mph(80 km/h)、最高速度85 mph(137 km/h)を達成しました。