パドヴァの基本情報
パドヴァは、ヴェネト州パドヴァ県の県都です。ヴェネト州の中では、ヴェネツィア、ヴェローナに次いで3番目に大きな街です。ヴェネツィアから電車で約30分の距離にあります。
パドヴァは北イタリア最古の都市といわれています。古代ギリシャの時代には、「パタヴィウム(Patavium)」という名前で呼ばれました。伝説上の建設者はトロイの英雄アンテノールといわれ、市内にはアンテノールの墓とされるモニュメントがあります。日本で「アンテノール」といえば、まず神戸の洋菓子店が連想されます。パドヴァと神戸が意外なところで繋がっていました。
ボローニャ大学に次ぎ、イタリアで2番目に古い大学であるパドヴァ大学があります。『神曲』の著者として知られる詩人ダンテや、「天文学の父」といわれるガリレオ・ガリレイが教鞭を執ったことで知られています。パドヴァ大学付属の図書館であるオルト・ボタニコは「世界最古の植物園」ともいわれ、世界遺産にも登録されています。
内陸都市で、学生の街という点では京都にもすこし近いものを感じます。
パドヴァの観光スポット
道草旅行社おすすめの観光スポットを、1位から順にご紹介します。
パドヴァの観光スポットとして圧倒的に人気があるのは、ここスクロヴェーニ礼拝堂です。観光ツアーでパドヴァを訪れる場合には、ほとんどがピンポイントでこれだけの観光になります。旅のしおりには「パドヴァ」観光ではなく、「スクロヴェーニ礼拝堂」観光と記されます。そのため実感のないままパドヴァの地を踏んでいたという方が、中にはいらっしゃるかもしれません。
庭にはたくさんのオブジェが無造作に配置されています。作品への愛があまり感じられない展示方法です。
本題はこれからです。文化財保護のための「温度調整室」で15~20分ほどビデオを見て過ごすと、いよいよ礼拝堂の中に入ります!
礼拝堂の壁と天井一面に描かれたフレスコ画は、ジョットの代表作です。
天井の青い星空が印象的です。ユーロの旗(欧州旗)を連想させます。また偶然でしょうが、この街で活躍したガリレオ・ガリレイのことを思い出します。
正面には「最後の審判」が描かれています。地獄の描写が生々しいです。
側面には、聖母マリアとイエス・キリストの生涯が描かれています。下は「ユダの接吻」の場面です。
「7つの悪徳」のうち、「嫉妬」を表した絵です。蛇はそのモチーフです。
「最後の審判」の反対側は祭壇になっています。
ちなみに徳島の大塚国際美術館では、このスクロヴェーニ礼拝堂の内部を立体的に再現展示しており、同美術館最大の見どころとなっています。