ヨークの基本情報
ヨーク(York)は、ヨークシャー地方の中心に位置し、「ヨークシャー(Yorkshire)」の語源にもなった都市です。
かつては地理的にも経済的にもヨークシャーの中心都市で、中世後期にはギルドを中心とした商業が発達し、イングランド全土でロンドンに次いで2番目に大きな都市だったといわれています。現在ではリーズ(Leeds)が経済的な意味において、ヨークシャー地方の中心都市になっています。
ヨークシャー地方は酪農が盛んで、日本で家畜されている豚のほとんどはこの地の名を冠した「ヨークシャー種」です。
街のシンボルでもあるヨーク・ミンスター(ヨーク大聖堂)は、イングランド国教会においてカンタベリー大聖堂に次ぐ権威を持ち、宗教都市としての側面がヨークにはあります。
ニューヨークとヨーク
アメリカ最大の都市、ニューヨーク(New York)の名前は間接的にではあるにせよ、ヨークに由来しています。
ニューヨークはかつてオランダの植民地で、「ニューアムステルダム」と呼ばれていました。1664年にイングランドがこの地を支配したとき、時のヨーク公が統治したことから現在の名がつきました。

「ヨーク公」は伝統的に王位継承権を持つ2番目の男子に与えられる公爵位で、当時のヨーク公は後にジェームス2世として即位しています。ジェームス2世は敬虔なカトリックでしたが、イングランド国教会と対立し、名誉革命によって国を追われました。もし彼のカトリック復古政策が成功していたなら、イギリスだけでなくアメリカもカトリックの国になっていたかもしれません。
ヨークの観光スポット
道草旅行社おすすめの観光スポットを、1位から順にご紹介します。

管理人が鉄道好きなのもありますが、1位はイギリス国立鉄道博物館です。ちなみにトリップアドバイザーでも、ヨークの観光スポットで堂々1位の人気です。
イギリス国立鉄道博物館については、下の記事で詳しくご紹介しています。


第2位は、ヨーク・ミンスター(ヨーク大聖堂)です。バリエーション豊かなステンドグラスと、街を一望できる塔からの眺めが見どころです。
ヨーク・ミンスターについては、下の記事で詳しくご紹介しています。


第3位は、シャンブルズ(通り)とヨーク旧市街です。
1階より2階が、2階より3階が道路側に飛び出した建物が特徴です。土地の面積だけで税金が決まった時代があり、「空中はセーフ」を皆がやったことで現在の街並みが形作られたといわれています。

建物の特徴を利用して、突き出た屋根になる部分に肉を干していたようです。
シャンブルズ(Shambles)に限らず、ピーターゲート(Petergate)など、旧市街の様々な通りで同様の建物を見ることができます。
ちなみにシャンブルズは、『ハリーポッター』に登場するダイアゴン横丁のモデルになったともいわれています。

第4位は、クリフォーズ・タワー(Clifford's Tower)です。
「征服王(William the Conqueror)」とも呼ばれるウィリアム1世が築いた、ヨーク城の一部です。古墳のようなお椀型をした丘の上に、ぎりぎりいっぱいの大きさで建てたようなプロポーションが独特で、面白いです。

塔を上から見ると、単三電池を4つ入れるソケットのような形をしています。

ヨーク・ミンスターより低い目線で、街を見渡すことができます。

ヨークは城郭で囲われた、いわゆる城郭都市です。
現存する城郭の上を歩く、城郭トレイル(City Walls Trail)も人気のアクティビティです。入場時間は日中に限られていますが、入場料は特に必要ありません。

旧市街を散策していると、城郭トレイルをしている人と出くわして、手を振り合ったりすることもあるでしょう。

一周ずっと歩けるわけではなく、トレイルコースは何か所かに分かれています。管理人のおすすめは、Bootham BarとMonk Barの間です。Grays Courtの、絵に描いたような美しい庭を眺めることができます。
Walmgate Bar

ヨークでは「道」のことを"Gate"といい、「門」のことを"Bar"といいます。ヨークは9世紀に北欧ヴァイキングの拠点となった歴史があり、古いノルウェー語の影響を受けているといわれています。
Walmgate Barは現存する門の中でも、特に立派なもののひとつです。Bootham BarやMonk Barも、同様に人気があります。

旧市街側から見た門の姿です。

Red Tower

城郭の中で唯一、レンガ造りの建物です。

第6位は、マーチャント・アドベンチャラーズ・ホールです。
直訳すると、「冒険商人の集会場」でしょうか。中世ヨーロッパで、ギルドと呼ばれる同業組合の集会場として使われた、いわゆる「ギルドホール」です。
イギリス最大の木骨造建築物といわれています。木骨造は、ドイツなどでよく見られる建築様式です。

庭の雰囲気も素敵です。カフェが併設されているので、ここでお茶をするのもおすすめです。

ホールは上階と下階に分かれており、上階は特に大ホール(Great hall)と呼ばれています。イングリッシュ・オークの柱と梁が、力強く建物を支えます。

100人乗っても大丈夫です。

ギルドごとに様々な紋章があり、それらの旗(Banner)を見て回るのも楽しいです。
York's Chocolate Story

ヨークにおけるチョコレート作りの歴史を、ガイドツアーで楽しく学ぶことができます。ガイドツアーは英語のみです。

ヨークは日本人にもおなじみの、キットカット(KitKat)が生まれた街です。キットカットは、ヨークに本社があるRowntree'sが開発した商品です。Rowntree'sは1988年にネスレ(Nestlé)社に買収され、それ以降「ネスレのキットカット」になりました。ちなみにRowntree'sという会社はネスレの子会社として存続しており、現在でもネット通販等を通してその商品を購入することができます。残念ながら、「Rowntree'sのキットカット」はもうありません。
York Castle Museum

クリフォーズ・タワーに隣接しています。
ビクトリア朝の街並みを再現したコーナーなどが人気です。子供が遊べるスペースも多く、ファミリーで楽しむことのできる博物館です。
口コミサイトで人気の観光スポット
参考に2つの代表的な口コミサイトで、人気の観光スポットを見てみましょう。
フォートラベルは日本のユーザーからの口コミですが、トリップアドバイザーは日本を含む世界のユーザーからの口コミです。
フォートラベル(4travel.jp)
2019年9月16日時点のランキングです。
| 順位 | 観光スポット |
|---|---|
| 1 | ヨーク ミンスター |
| 2 | ヨーク国立鉄道博物館 |
| 3 | クリフォーズ タワー |
| 4 | シャンブルズ |
| 5 | ヨーク城壁 |
| 6 | ヨーク キャッスル博物館 |
| 7 | カッスル・ハワード |
| 8 | トレジャーズ・ハウス |
| 9 | フェアファックス ハウス |
| 10 | ミュージアム・ガーデンズ |
| 11 | マーチャント アドベンチャラーズ ホール |
| 12 | 観光案内所 (ヨーク) |
| 13 | モンク バー |
| 14 | ヨークシャー博物館 |
| 15 | ヨーヴィック ヴァイキング センター |
トリップアドバイザー(tripadvisor.jp)
2019年9月16日時点のランキングです。
| 順位 | 観光スポット |
|---|---|
| 1 | イギリス国立鉄道博物館 |
| 2 | ヨーク大聖堂 |
| 3 | シャンブルズ通り |
| 4 | York Maze |
| 5 | York Castle Museum |
| 6 | York's Chocolate Story |
| 7 | Yorkshire Air Museum |
| 8 | ヨーク旧市街の城壁 |
| 9 | Castle Howard |
| 10 | Jorvik Viking Centre |
| 11 | York Cold War Bunker |
| 12 | Breezy Knees Gardens |
| 13 | Treasurer's House |
| 14 | Piglets Adventure Farm |
| 15 | マーチャントアドベンチャラーズホール |
イギリス国立鉄道博物館(ヨーク国立鉄道博物館)、ヨーク大聖堂がヨーク観光の2トップなのは間違いないでしょう。
シャンブルズ(通り)もフォートラベルで4位、トリップアドバイザーで3位と上位圏です。
クリフォーズ・タワーはフォートラベルで3位なのに対し、トリップアドバイザーでは意外にもトップ15圏外です。
それ以降はかなり違も部分がありますが、共通してランクインしているところでは、ヨーク城壁(ヨーク旧市街の城壁)、ヨーク・キャッスル博物館(York Castle Museum)、カッスル・ハワード(Castle Howard)、トレジャーズ・ハウス(Treasurer's House)、マーチャント・アドベンチャラーズ・ホール(Merchant Adventurers' Hall)、ヨーヴィック・ヴァイキング・センター(Jorvik Viking Centre)が挙げられます。
カッスル・ハワード(Castle Howard)は、ヨーク中心部から40 kmも北の郊外にある貴族の邸宅です。
ヨークのグルメ
Cosy Club

フォスゲート(Fossgate)通り沿いにある、お洒落なレストランです。

"The Blue Velvet"という名前のバーガーです。バンズの中には、6オンスのビーフパティ、ほぐした(pulled)ビーフブリスケット、ブルーチーズ、マッシュルーム、レタス、トマト、そしてガーリックマヨネーズが入っています。付け合わせのポテトもほくほくで、美味しかったです。
ヨークの鉄道
ヨーク駅

ヨークの玄関口です。イングランド北東部における交通の要衝だけあり、様々な鉄道会社の列車が入線します。
イギリス鉄道185形

TransPennine Expressが運行する車両で、気動車です。シーメンスのデジロ(Desiro)という製品のバリエーションです。
イギリス鉄道68形

同じくTransPennine Expressが運行する車両ですが、こちらはディーゼル機関車です。
日本の列車にはないような類の、曲面を多用した凝ったデザインです。
イギリス鉄道170形

Northernという鉄道会社が運行する車両で、気動車です。
Northernの路線は、イングランド北部をくまなくカバーしています。
イギリス鉄道91形

ロンドン・ノース・イースタン鉄道(LNER)の電気機関車です。イギリス国鉄が民営される前の1988~1991年にかけて製造された車両ですが、30年近く経った今でも現役です。
ころころ運営会社が変わる東海岸線ですが、様々な時代を見てきました。イギリス国鉄InterCity、Great North Eastern Railway、National Express East Coast、East Coast、Virgin Trains East Coast、そして現在のLondon North Eastern Railway (LNER)。退役する前に、もう1社くらい経験することになるんでしょうか。

ダラム大聖堂はイングランド北部の街ダラムにあり、ダラム城とともに世界遺産に指定されています。

日立製AZUMAの到来を告げる看板です。

イギリス鉄道221形

Cross Countryの運行する車両で、気動車です。
Cross Countryはバーミンガムを拠点に、北東はスコットランド・アバディーン(Aberdeen)、南西はペンザンス(Penzance)を結びます。まさに"Cross Country"(国を縦断)しています。アバディーンとペンザンスは直線距離で約814 kmあり、日本だと東京から下関のすこし手前、あるいは東京から札幌のすこし手前くらいですが、高速鉄道ではないため13時間20分もかかってしまいます。

イギリス国立鉄道博物館の看板が出ています。日本の新幹線0系が、堂々とセンターを張っています。

ヨークの緊急車両
Yorkshire Ambulance Service Fiat Ducato III

フィアット・デュカート3代目後期モデルの救急車仕様です。緑と黄色の市松模様が、イギリスにおける救急のシンボルです。
ヨークの道草
ガイドブックには載らないような、偶然の出会いやふと気になった風景などをご紹介します。

ヨークらしい建物です。レンガとの対比で、張り出しがより強調されています。

単に張り出しているだけでなく、張り出した部分の底面が、これでもかというくらいに波打ち、歪んでいます。

カナダガン(Canada Goose)です。有名なアパレルブランドと同じ名前です。

「しょっぱさ」がいい味を出しています。

(ニュー)ヨークへようこそ。

勝利。



ヨークのモデルコース
Ⓐイギリス国立鉄道博物館から旅をスタートします。所要時間は1時間半~2時間を見ていますが、鉄道に関心のある方にとっては足らないと思いますので、ヨーク観光の時間をもう半日~1日取って、ゆっくり回られた方がいいかもしれません。
鉄道博物館から徒歩約14分で、ヨーク観光のもう1つの目玉、Ⓑヨーク・ミンスターに着きます。ヨーク・ミンスターは城郭に囲われた旧市街のほぼ北端に位置します。世界最大級のステンドグラスと、街を一望できる塔からの眺めを楽しんでください。
南に向かう前に、城郭(City Walls)の上を歩く城郭トレイル(City Walls Trail)を体験してみませんか。ヨーク・ミンスターの目と鼻の先にⒸBootham Barがあります。"Bar"は大人の社交場ではなく、「門」という意味です。
Bootham Barのすぐ脇に、城郭トレイルへの上り口を見つけることができるはずです。ⒹMonk Barまで約8分の城郭トレイルを楽しんでください。途中、Grays Court Hotel and The Bow Room Restaurantの絵に描いたような美しい庭園を眺めることができます。ここで昼食をとったり、お茶休憩をするのもいいと思います。
Grays Court Hotel and The Bow Room Restaurantに隣接する、トレジャーズ・ハウス(Treasurer's House)も人気の観光スポットです。
Monk Barから約4分南下すれば、Ⓔシャンブルズ通り(York Shambles)に着きます。1階より2階が、2階より3階が道路側に張り出した不思議な街並みを見ることができます。
シャンブルズ通りの北の入口には、York's Chocolate Storyがあります。ヨーク観光のお土産を買うのにおすすめです。
シャンブルズ通りからさらに南へ約2分歩くと、Ⓕマーチャント・アドベンチャラーズ・ホール(Merchant Adventurers' Hall)に着きます。中世ギルドの集会場として使われた所謂「ギルドホール」です。庭園の雰囲気も素敵で、お茶を頂くこともできます。
マーチャント・アドベンチャラーズ・ホールからさらに約5分南方へ進むと、Ⓖクリフォーズ・タワー(Clifford's Tower)に着きます。ヨーク・ミンスターと並ぶもう1つのランドマークで、こんもりした丘の上にある佇まいが可愛いです。
クリフォーズ・タワーの周辺で、York Castle MuseumやFairfax Houseも人気の観光スポットです。